輝きについて
たくさんの星。
広い宇宙を、毎日同じように動きまわっていた。
みんな、ちがう形をしていた。
動くスピードも、
光りの強さも、色も、大きさも、
みんなちがって、生きていた。
暗い暗い宇宙の中で、
とってもきれいに輝いていた。
青い星は、ある時、
もっともっと自由に、色んな場所に行ってみたいと思った。
夢を持ったのだ。
そして生まれて初めての道を、
わくわくしながら進みはじめた。
すごく楽しくなってきた。
なんだか、出会うもの全てを好きになれそうな気がした。
それを見ていた赤い星。
青い星がとっても輝いてきれいに見えて、
なんだかうらやましくなった。
自分もどこかへ行きたくなったけど
黙って見ていることにした。
それを見ていた太陽。
青い星がとっても輝いてきれいに見えて、
なんだかくやしい気持ちになった。
宇宙で一番輝いているのは、
自分じゃないとイヤだと思った。
欲を持ったのだ。
だから、自分の炎で、
青い星を燃やしてしまおうとおもった。
やがて、2つの星はぶつかった。
わくわくしている青い星に、
太陽がしゃくねつの炎をあげた。
宇宙に青い、花火をあげて、
夢を持った青い星は、死んでしまった。
わくわくしていた青い星。
出会うものすべてを、好きになれそうだったのに・・
それを見ていた赤い星、
太陽の後ろに、小さく並んだ。
自由にどこかに行こうなんて、
もう考えない方が、いいと思った。
隠れるように身も心もちぢめて、
ひたすら目立つことのないように生きようとした。
面倒なことには関わりたくないと思っていた。
身も心もちぢめすぎて
やがて輝きまでちいさくなっても
赤い星は、太陽の後ろにいた。
だから、太陽に近づきすぎて、
炎の中で死んでしまっても、
誰も気づかず、そして誰も騒がなかった。
たくさんの星。
なにが、しあわせか、
わからなくなってしまってか、
広い宇宙を、毎日同じように動きまわっていた。