「ひらがな」

朝日も届かないベッドで休みたい時もあるよね
体の形のくぼみから世間の出来事を目で流す

寝返りをうちながらあなたを起こさないように
そっと思い出に潜り込んでみたら精一杯の自分がいた

横になってみても 迷路は迷路
光る出口は遠ざかる
受け入れたくないこと以外のことにだけ
うまく出会えたらいいのに

今日も右手はから 雨が降るのを止めたい
すすめ
後ろか前かわからなくても動くあたしは生きている


ひらがなくらしか知らない頃のちいさな自分が見てる
濡れて乾いたよろこびと悔しさのゆく先を見つめてる

のばしては切ってしまう髪の毛みたいに
じっと待っていれば戻るのかな
追いかけたいものと迫ってくるものが
ちょうどよく混ざればいいのに

みせたい自分じゃないと巻き戻したくなるけど
ほえろ
あの日のように叫べなくて悩むあなたも生きている